梅の花を見ながら
3月の節句が近く、お菓子売り場に可愛らしい色合いの豆菓子が売り出されていた。
五色豆である。
白、桃、黄、茶、鶯色の5色の砂糖の衣を着た豆で、それぞれ色に意味合いがあり、
全てを合わせて大地を表しているらしい(詳細は各々ネットで調べてくれ給え)。
普段であれば豆菓子は買わないのであるが、
ころころとした形と薄い色合いの優しい印象にほだされて、
つい、購入してしまった。
どうせ買うのならばと、豆の色ができるだけ均等に入った物がよいと思い、アレコレと手を伸ばしては「違う、違う」と言っていたので、売り場の人も買い物客も変な人間がいると思い困ったものだろう。
家へ帰り、早速ほうじ茶を淹れてお供にする。
口に入れると砂糖衣の甘さがあり、かり、と噛むといり豆の香りが広がった。
複雑さのない素朴な味である。
幼い時であれば嫌で仕方がなかったであろうが、歳をとり、素朴な味が口に合うようになったのか美味しいと感じた。
暖冬の影響か、いつもより早く梅の花が咲いた。
1つ、咲いたなと思うと次々とぽんぽんと咲き、
あっという間に満開といった心地となった。
今日は天候もよく、風も穏やかで空気も暖かい。
窓辺近くで梅を見ながらお茶を楽しむ事ができて、幸せな日だ。